
『いじめ』をどこまで理解していますか?
もはや学生だけに起きる問題ではなくなっている昨今ですが、その場に居合わせた時にどう行動出来るのか不安でもありますよね。
まさか自分が…我が子が…という想いでいっぱいになる人もいるでしょう。
まさに今、悩んでいる方へ。
励みに、参考になる事を祈っていろいろまとめた物をご紹介したいと思います。
『いじめ』の定義とは
『いじめ』といえば、直接暴力を振るう・悪口を言う・無視をする・物を隠したり、落書きしたり…さまざまな方法があり、人によってその内容や手口、そして辛さは異なります。
しかしどんな『いじめ』でも共通しているのは、被害者の心を深く傷つけ、取り返しのつかない事態にも及びかねないということです。
そのため、早期発見し、【ちょっとしたいたずら】のうちに間違いを正し、適切な対応をする事がその後の被害の大きさを左右します。
文科省によると、現在『いじめ』は以下のように定義されています。
【個々の行為が「いじめ」に当たるか否かの判断は、表面的・形式的に行うことなく、いじめられた児童生徒の立場に立って行うものとする。
「いじめ」とは、「当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの。】
(引用元:いじめの定義の変遷|文部科学省)
つまり…
- 被害者・加害者の間に一定の人間関係がある事
- 被害者が苦痛を感じているもの
いじめと認識されるかどうかは、下記5つの基準から判断できます。
・反復性:相手が嫌がることを複数回行う
・同一集団内:その行為が常に特定の集団内で起こっている
・立場の不対等:行為者が優位な立場にある、片方が一方的に貶められている
・故意性:嫌がっていることを理解した上で行っている
・傍観者の有無:1対1ではなく、周りに傍観者がいる
という事が『いじめ』だと認定される事になります。
最初の定義は昭和61年に明確化され、時代の変化に伴って、少しずつ変わってきました。
一部の文言が削除・追加されたりと、平成25年度からはインターネットも含むことや、一定の人間関係の注釈などが加えられました。
平成25年度に『いじめ』の定義が替わったのは、「いじめ防止対策推進法」が施行されたためです。
これは、『いじめ』を防止するための基本方針や、国・地方公共団体、学校、保護者などの責務が定められたもので、『いじめ』の早期発見の重要性や、インターネット上での『いじめ』に関しても言及されています。
『いじめ』への対処や姿勢はまだまだ地域・学校などによって異なりますが、こういった法整備などによって、少しでもいじめられた子供の苦しみが減っていくことを期待しています。
『いじめ』を受けている子の変化と親の対応
『いじめ』を受けていても、親に相談しない子がほとんどです。
子供の変化を見逃さず、気づいてあげられるように注意しておきたい変化をご紹介します。
・遊びに行くときに、友達の名前を言わなくなる
いつもはお友達の名前を言っていたのに、具体的な名前を言わなくなったら要注意。
・暗かった子が明るくなる
親に隠すため、わざと明るくふるまう傾向が見られたら要注意。
・食欲や元気がなくなる
明るかった子が暗くなるパターンもありので要注意。
体が学校に行くことを拒否したときにようやく親は気付くことができる場合がほとんどですが、その時に親がしてあげられることも重要となってきます。
・子どもの安全地帯を確保
わが子を詰問することよりも先に、わが子に「安全なところにいる権利がある」ということを伝え、安心安全だと本人が思える居場所を確保することが先決になります。
これは「逃げ」ではなく、安全を確保した上で対策を考えるのは当然の事なのです。
・「こころの居場所」の確保
まず、わが子を褒めましょう。そして、加害者ではなく被害者であってくれたということを褒める。我慢をしてきたことを褒める。親にカミングアウトした勇気を褒める。
そして、わが子に「君は何も悪くない」と伝えることも大切です。
・被害者意識に囚われすぎない
被害者の親には自分の家庭だけが苦しむのは理不尽だという思いと、可愛いわが子の敵を討ちたい、罰を与え、仕返しをしてやりたい、この悔しさをどうにか晴らしたいという思いが強くあります。
思ですが、思いをストレートに加害者側にぶつけても、誠意をもって謝罪する親は稀で、大抵は態度を硬化させるだけになる事が多いです。
まずは目の前のことに集中して、わが子のことだけを考えるようにしましょう。
加害者が将来どのような人間になろうと関係ありません。
・学校のスタンスを理解し、教師を敵に回さない
被害者根性を前面に出して教師を責めると学校は簡単に敵に回ってしまいます。
加害者と学校を責めるのではなく、みんなで良い方向に向かいたい、そのために自分(親)に何ができるのかを教えてほしい、できることは何でも協力したいと申し出ることが大切になります。
そこでようやく「話ができる親」ということで、学校との交渉権を得ることができるのです。
腹立たしい気持ちもありますが、戦略と思い行動するしかありません。
気づかず『いじめ』の加害者になっている?
これまで「被害者」の側として書いてきましたが、気づかないうちに自分が「いじめの加害者」となっている場合もあることをお伝えします。
そして、子供時代はわからなかった事が大人になって「いじめの加害者になっていたかも」と気づく事もあります。
『いじめ』の加害者になる子の特徴とはどんな物があるでしょう?
男女共にいじめ加害の経験をした子は、いじめ加害を経験していない子に比べて、親への愛着が低く、学校全体への不満感と抑うつ傾向が高いそうです。
ネットいじめの加害を行う子は、そうでない子に比べて、「親が自分の携帯電話、インターネットなどの利用状況に対する把握が低い」と考えている傾向が高い。
ネットいじめと実際のいじめ両方を行う子どもでは、親への信頼感や親との情動的な繋がり度合いが低い傾向にもあるようです。
親子関係のあり方が、子供の人間関係にも影響を出しているのです。
その場合の子供の心理を調べてみました。
・自分を大切にできない
どんなに酷く他人をいじめても加害者自身が「自分を大切にできない」から平気だったりします。
自己肯定感の低さから、他人に対しても同じ思い込みを持っています。
家族に十分に受け入れてもらえなかったり、さみしい思いをしたり、酷い虐待を受けたり、「自分は大切にされていない」と肌で感じた経験から形成されている可能性が高いです。
・白・黒はっきりさせないと気が済まない
不安さや曖昧さに耐える力が弱く、白・黒をはっきりさせないと気が済まないと考えている子が多くいます。
そのため、自分とは違う見た目・価値観・考え方を受け入れることができず、排除しようとしてしまうのです。
・相手をコントロールしたい
家庭内では自分の感情を抑え、親の言うことをよくきいて、親に従うことが多く、自分の思う通りに生きたいという気持ち(支配欲求)が満たされていない状態にあることがあります。
満たされなかった支配欲求が他人に向かった最たるケースが「いじめ」です。
相手を「パシリ」として扱い、無理な要求を押し付けたり、「万引き」を強要したりする裏側にはこのような心理が隠れています。
・感情がコントロールできず、ストレスが発散できていない
一旦ストレスのはけ口をみつけてしまうと、どんどんエスカレートして行き、歯止めきかなくなってしまうという傾向も見られます。
いつもは大人しいのに「突然キレる子」も同じ心理が働いています。
いじめに関しては被害者よりも加害者の方が心に問題を抱えている可能性が高いです。
だからと言って、なら仕方ないで済む話ではありませんが、加害者の心の問題の多くは、家庭環境が関わっていると考えられます。
『いじめ』解決は探偵に求むべし‼

我が子が『いじめ』を受けているとわかった時にまず相談するのは『担当教諭』ですよね?
ですが、その味方になってくれると思っていた相手に信用してもらえない事もあります。
そうなった場合、中々解決まで行くのは難しいといえます。
テレビでニュースになるようないじめの事件の時も『学校側は何も対応してくれなかった』とよく被害家族の方は訴えておられますよね。
そんな時に【探偵】に頼る方が増えているそうです。
『いじめ』の調査を探偵に依頼出来るものなのかと思うかもしれませんが、実は真相を探るために最適な方法なのです。
探偵に依頼することによって、いじめを裁判に持ち込んだ時に決定的な証拠を揃えることができるのがメリットです。
さらには探偵が残した証拠写真は調査報告書となり、警察もスムーズな対応をしてくれます。
ではどんな調査をするのでしょうか?
・学校周辺の尾行や張り込み
学校の中には入ることはできませんが、登校中や下校中には調査することができます。
・SNSの調査
最近よくあるいじめのケースは、SNSのグループ以外で特定の人をけなしたり、嫌がらせをすることです。
SNS上の書き込みは、個人の特定が難しい場合がありますが、いじめっ子と思われる子供の尾行により特定できる場合があります。
・被害者との『いじめ』の内容整理
被害者本人と会って行うことは、「カレンダー」「学校行事予定表」「本人の予定がわかるもの」を使い、いつ何があったか?ということを埋めていく作業です。
最も近い記憶から書き出し、思い出した記憶を順序関係なく書き留めていきます。
・証拠類の保管と撮影
落書きや、SNSの投稿をスクショするなど、証拠集めをして保管しておきます。
日付がわかるようにしたり、ボロボロになって落書きをされて捨てられた教科書やノートの証拠も見たくはないでしょうが保管しておきます。
・情報提供者を探す
いじめのクラス構造というのは様々ですが、大きく3つに分けることができ、いじめをする「加害者グループ」いじめの被害を受ける「被害者」いじめとは無関係を気取る「傍観者層」となっています。
相関図としては、いじめグループと遠い人物にターゲットをしぼり、協力してくれるよう説得を試みます。
どの子もやはり「次のターゲット」になるのが怖く、早期解決を望んでいることが多いので協力してくれる子は多いようです。
この結果、報告書を作成し依頼主に提出後、被害者家族が学校側に訴える材料となります。
調査を進めていく上で、生徒から保護者にも伝わり、隠しきれない状況にも持っていく事が出来ます。
『いじめ』を相談出来る場所がある。
という事が、家族の救いになるのではないでしょうか?
ちなみに、やはり『探偵』を『雇う』わけですから、費用もかかってきます。
いじめの加害者がある程度特定されている場合は調査期間が短くなります。
特定できない場合は、調査の期間が長くなり費用が高くなります。
探偵事務所に依頼をする前に情報を入手しておくとスムーズになると思います。
『いじめ』まとめ
いかがでしたでしょうか?
『いじめ』とは1人で解決出来るものではないという事がわかっていただけたと思います。
家族のサポートも重要ですし、学校の協力が得られない場合は『探偵』に依頼する方法もあります。
早期解決し、少しでも安心して学校生活を送ることが出来るようにしたいですよね。
その為には【1人で悩まない事】が大切ですし、ご両親もお子さんとのコミュニケーションをいつも密に取る事が『いじめ』のサインを見逃さない事に繋がります。
それでも中々なくならない『いじめ』による自殺。
完全になくすことが難しい世の中にどんどんなっている気もしますが、対策も増えてきています。
この記事を参考に、解決につながる事を祈っています。